01.Red Alert
約6年ぶりに自身のソロライブを行うことが決まった際に作成したオープニングSEで、これからライブが始まるという高揚感を更に駆り立てられる内容に仕上がったと思います。
ギターのメロディーがかなり気に入っていて、1分少しで終わらせるには勿体ないという気持ちも少しだけありますが、1stアルバムの1曲目に相応しい曲になったと思います。
02.Insane Notes
"インパクトのあるオープニングトラック"という意識で作成しました。16分音符で細かく刻み続けるイントロや、キャッチーなコード進行のテーマ、複雑なキメなど、勢いのある中にメリハリを付けることを意識しました。
それぞれの楽器にソロパートがあり、ライブで映える点もこの曲の魅力だと思っています。ドラムのマム(山村佳範)の迫力のあるソロは必聴です。
タイトルは「狂気のメモ(音符)」の意で、この曲の作成時に、音の並び・各セクションの構成・変拍子・キメのパターンなどを付箋に細かく殴り書きをしていたのですが、後で見返した際に感じたことをそのまま名前にしました。
03.DIVINEWORK
「音都」というテレビ番組の中で、ギターの奏法を紹介する「神業」コーナーを持たせて頂いた際に、最終回で披露した書き下ろし曲です。
コーナー用に作成した曲ということで様々なテクニックが散りばめられていますが、"技術の見せびらかし"にならないよう、曲として楽しめることを最優先にしています。
何よりもサビの爽やかなメロディーや雰囲気が気に入っていて、ドライブ中のBGMなどに合うのではないかと思っています。
中盤のギターソロではあえてトリッキーな音をチョイスしたことで、良いスリル感が出たと思います。ラストサビの後半で登場するソロもお気に入りです。
04.Crash And Chaos
元々は王道ハードロックのようなギターリフでしたが、一部をダークな音使いに変えて世界観を作りました。
中盤のパートはギター・ベース・ドラムで次々にリフを展開していくという、自身の曲では初めての試みに挑戦しています。
ラストサビが終わってからのカオスなパートは、全てギターのスラップ奏法で刻んでいます。
タイトルは「衝突と混沌」の意で、本来人々の平和や安全を守るべき側の人間が事件を起こしてしまい(衝突)、周りの人達の慰めがありながらも最後は自分の負の感情に飲み込まれてしまう(混沌)、という裏のストーリーがあります。
05.Liana
SNSなどで流行しているネオソウルギターを意識して作成しました。これまで弾く機会のなかった曲調なので、演奏していてとても新鮮で楽しく、気持ちの良い曲です。
中盤セクションのベースのレコーディングが特に大変でしたが、タイトなスラップ奏法ができたと思います。
ギターソロではニュアンスやビブラートの揺らし方、構成や盛り上がり方などを特に意識しました。
「コード(コード進行)の周りに様々な音が絡み合っている」というイメージで作ったギターリフなので、木に巻きつく"ツル植物"を意味するタイトルにしましたが、「海外の女性の名前みたいな曲名はカッコいい」というミーハーな理由もあります…
06.霞桜
この曲は2015年に作成した曲で、今回アルバムに収録できたことが本当に嬉しいです。
三味線・琴・尺八などの和楽器や、和音階、サビではドラムがスネアを頭打ちにしたりと、日本的な要素を盛り込みました。
2番サビが終わった後は、ギターで三味線のような音が出せないかとトライしたフレーズが登場します。短いコーナーですが、ピッキングをする位置を変えたり、色々な試行錯誤が楽しかったです。
ギターで和音階を速く弾くのは指使い的にかなり複雑になるのでレコーディングは大変でしたが、タイトに演奏できたと思います。
07.Cosmic Rays
この曲も2015年に作成しました。タイトルの通り宇宙に関する曲なので、スペーシーなシンセが沢山登場します。
イントロのリフは"4分の7拍子・8分の7拍子"といった変拍子が登場しますが、できる限りストレートにシンプルに聴かせることを意識しました。
ラストサビ~エンディングのクライマックス感が気に入っていて、ライブで演奏していて特に気持ちが入る瞬間です。
場面展開が多く、1本の映画を観ているような、ストーリーやドラマのある曲に仕上がったと思います。
ZARDのライブでご一緒させて頂いたキーボーディストの大楠雄蔵さんに、珠玉のピアノソロを弾いて頂きました。
08.Catharsis
自分の中のメタル成分を大胆に押し出した曲です。
イントロのギターリフをストリングスでなぞる手法はシンフォニックブラックメタルからの影響で、RPGのボス戦のような雰囲気が気に入っています。
インターセクションではハーモニクスやブラッシング、ノイズエフェクトなど、最近ハマっているモダン・メタルの要素も取り入れることができ、制作時に興奮した記憶があります。
ギターソロのラストからBメロへ繋がるセクションは、自然に転調させられるようにトライ&エラーを繰り返したので思い入れがあります。
09.Infinity
この曲も2015年に作成しました。
当時特に大好きだったメロディックメタル、ネオクラシカルメタルの影響が出ています。制作時は演奏するのが大変でしたが、あれから7年経ち幾分か楽に弾けるようになったので、自分の成長を感じられる曲でもあります。
歌謡曲のような雰囲気のあるメロディーが気に入っていて、日本人好みなのではないかと思っています。
中間のキーボードとギターのソロバトルは2015年のバージョンからフレーズを変えているのですが、チョーキングのニュアンスなど、この7年の間に受けた影響を自分なりに昇華できたソロになったのではないかと思っています。
10.Bittersweet
口ずさみながら体を揺らせるようなポップソングを意識して作成しました。
Aメロでのカッティングを織り交ぜたメロディーは自身のソロ曲では初めて取り入れた要素で、小気味の良さや軽快さを出せるように尽力しました。
ギターソロセクションでは、静かなループ系のフレーズ→ツインリード→エモーショナルなメインソロと、徐々に盛り上がっていく流れを作ることができたのがハイライトだと思っています。
この曲はまだライブで披露したことがないので、お客さんと一緒に楽しめる日が待ち遠しいです。
11.Fervent Aspiration
「情熱・友情・夢」などがテーマの少年漫画を読んでインスピレーションを得た曲です。
勢いや熱さを出すために、あえてストリングスやシンセを入れずディストーションギターでゴリ押すアレンジにしました。
Aメロやギターソロセクション後半のドラムでは、なるべく単純な8ビートを使わず、スネアの位置をズラしたりキメを入れています。ストレートでありながらトリッキーにも感じるビートがマイブームです。
ギターソロの入り口と最後では、同音のフルピッキング+スウィープピッキングを織り交ぜた新機軸のフレーズを取り入れました。
12.Gloria (Album version)
「サッカーチームのアンセムを」と依頼を受け、自分にとってのサッカーのイメージ (熱さ・激しさ・爽やかさなど) を曲に落とし込む意識で作成しました。
サビのメロディーを優先的に作り、インストでありながら歌が聴こえてくるようなメロディー作りを心掛けました。
イントロのリフやギターソロなどでは、熱さ・激しさを表現するため複雑なリズムセクションを設けましたが、ノリにくさを感じさせないようストレートに聴かせることを意識しています。
また自分自身への挑戦で、初めて使用するギターテクニックを盛り込んでいます。
サッカーに限らず、頑張る人の背中を押せるような曲になると嬉しいです。
13.Memories
家族との想い出についての曲で、特別な思い入れがあります。喜怒哀楽、様々な感情をこの曲に落とし込めたと思います。
このアルバムで唯一のバラードで、ギターのトーンやニュアンスなど細かく拘りました。
1番サビが終わった後のドラムのスネアロールが入るセクションは、レコーディングやライブの時に特に気持ちが入る部分です。
この曲が完成したのは2021年7月14日で、その1年後の同じ日にこの曲のアルバム用のレコーディングをしていたというのも、何か運命的なものを感じています。
家族に限らず、大切な想い出と一緒にこの曲を聴いて頂けると嬉しいです。
14.Beyond All Time
自身の曲の中で最長で、繰り返しの部分がほとんどなく、Cosmic Rays同様に1本の映画を観ているかのような曲に仕上がりました。
コロナ禍で思うような音楽活動ができない中で、様々な想いを持って制作しました。
タイトルは「全ての時を超える」という意味で、暗く辛い時期が続いてもいつかまた光が差すことを信じて進んでいこう、という気持ちを込めています。
ギター・ベース・ドラムのテクニカルで複雑なユニゾンセクションが終わって、パッと視界が広がる瞬間は演奏していて堪らなく気持ち良いです。
制作中「曲の初めに流れるマイナー調のメロディーが、曲の最後でメジャー調になって再登場し大円団を迎える」という案が浮かび、それを実現できた時は思わずグッときてしまいました。この曲のハイライトだと思っています。