- 01.Horizon
今回のEPのタイトルトラックです。水平線から朝日が登ってくるようなSEでスタートし、一気に壮大な世界が広がるイントロがとても気に入っています。
イントロやサビなどで登場する、16分音符の裏にアクセントを付けるトリッキーなリズムに、爽やかなメロディーを乗せるのが最近のマイブームです。
中盤では、クリーントーンでのギターソロや不安定な音使いの複雑なリフ、フュージョン・クロスオーバー的なセクションなど、新機軸の要素も取り入れています。
音楽理論の面では1曲を通して"ピカルディ終止(本来マイナーで終わるコード進行のラストを、明るいメジャーコードに変える)"がテーマとなっていて、高揚感や爽やかさ・煌びやかさを演出しました。
同じ場所からの景色でも、天気や季節、その時の気分で見え方が違ってくるように、この曲を通して様々な景色を感じてもらえると嬉しいです。
- 02.Side-by-Side
今作で最も疾走感のある曲に仕上がりました。イントロは低音のキメと高音の細かいフレーズの複合で、音程感の広いリフになっています。
2016年までに作成した過去の曲に通ずる爽やかなメロディーが登場するので、少し懐かしさを感じる部分もあります。
2番サビ後のギターソロでは、チョーキングやスライドのニュアンス、ダブルストップ(2つの音を同時に鳴らす演奏法)など、この数年で得た影響を自分なりに表現しました。
3:14の速弾きは、主旋律とオクターブ下のハモリが完璧に合うように録音しました。"競り合い・並走状態"という曲名を最も表しているソロだと思います。
- 03.Owl
前作Beyond All Memory収録のLianaのように、ギター1本でもメロディーとコードが同時に感じられるようなネオソウルギターを目指して作成しました。
初の試みとなる打ち込みのエレクトロドラムやアンビエント系のシンセなどで、アーバンな雰囲気を演出しました。ギターはクランチサウンドのみで1曲を通して弾いたりと、新たな自分の世界が開けたような手応えのある曲に仕上がりました。
音を詰め込んだ中間部や、ギターのアルペジオを聴かせる落ち着いたコーナーなど、この曲にも様々な表情がありますが、2度目に登場するBメロのアッパーなビートが特に気に入ってます。
- 04.Mind Conflict
とあるダークヒーロー系の作品からインスピレーションを受けて作成しました。タイトルは"心のぶつかり合い"という意で、主人公が善と悪の狭間で葛藤する場面を表現できたのではないかと思っています。
序盤は7弦ギターの細かい刻みとバンドの精密なシンクロ・スケールアウト・ピアノとのユニゾンなどで、ヘヴィーかつダークな雰囲気を演出し、サビでは視界が広がるようなアレンジと感情的なメロディーを登場させ、光と闇の対比を表現しました。
中盤では新たに導入したクワイア(女性の合唱)の音源が、主人公の善の心に寄り添うような役割を果たしてくれています。
- 05.Fuel
ライブで激しく演奏できる曲が欲しいと思い、リフが次々に展開していくようなスタイルで作曲しました。
往年のハードロックの名曲をモチーフにしたメインリフですが、ドロップDチューニングとノンダイアトニックコードの響きで、トラディショナルとモダンの融合を目指しました。
中間部のギターソロがピックアップされるコーナーでは、あえて空間系のエフェクト(ディレイやリバーブ)をかけず、リアル演奏の生々しさを前面に出してみました。
ギターリフのパターンを少しずつ変えてビルドアップしていくエンディング部分は、特にライブで盛り上がるのではないかとワクワクしています。